「アジ漁」
酒田の港に船が入る
秋田沖から戻ったという
この漁船の腹の中から
大きなカゴ一杯のアジが
次々に
ベルトコンベアーに移される
朝の港に働く人は
魚をどんどん仕分けして
大型トラックの荷台を
満たしてゆく
人々はただ黙々と魚を運び
時折見つけた大きなサケを
氷詰めにする
混じったイカはつまみ出され
波止場のコンクリートの上に
山積みとなり
ウミネコさえも振り向かない
この大漁の日々が終わるころ
日本海には冬が来る
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