―イエス様の贈り物ー

「天国には持って行けないのですか?」

       幸田比呂(こうた ひろ)

         

序章

 

「天国には、何も持って行けないのですか?」

 

―はい

お金や

あのすてきな家は運べません

それだけでは有りません

貴方の大切な人や

可愛いペットのポチともお別れです

 

「あんなに大切にして育てた庭の草花もですか?」

 

はい、毎日水をやって可愛がった

あの盆栽も

貴方の旅についていくことは出来ません

 

「わたしをあんなにも慕った子供たちも?」

 

はい、あなたの愛する妻や兄弟は

皆貴方を忘れたかのように

生きています

 

過去の章:

 

あなたは忘れていました

あの時

手をこういう具合に結んで

お祈りを捧げることを

 

貴方はいろんな人に感謝しましたが

貴方を見えないところから

いつも支えておられた

イエス様をお忘れでした

 

一番必要なときに

あなたはあの方を

お呼びになりませんでしたね

 

怖いときにも

苦しいときにも

悲しい時にも

イエス様はあなたのそばで

手を差し伸べておられました

 

それなのに、あなたは

自分の考えに頼り

自信ありげに

世の中を渡っていましたね

元気にしかもはつらつと

人もうらやむばかりの

お仕事をされました

 

でも、あの方には

あなたがどうして楽しくないのか

どうして満足しないのか

お分かりでした

 

再会の章:

ですから今日

貴方の心臓が鼓動を止めるときも

貴方を励ますために

あの方は

そばに居られるのです

 

もう何も怖がる事はありません

貴方は一人ではないのです

貴方の心にいま

あの方は

見えますか?

 

ああ

何という気高い

何という楽しげなお顔に

貴方はなられたのでしょう

イエス様に

やっと

お会いになられたようですね

 

 

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