「稲の里」

 

 

山あいの村を歩くと

深々とした杉の森まで続く

刈り取り前の稲が

黄金色の穂を垂れる

 

何という美しいゴールドの稲穂が

山の緑のなかに浮き上がる

人々はここまで土地を開き

水を引き

 

今ではコンバインまで入る

豊穰の地を作った

袈裟架けに刈り取られた稲は

太った軍団のように村を守っている

 

とにかく坂を登ってきて

ふと目の前に現われた黄金色は

人々の努力の歴史が結晶し

言葉もないほど美しい

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