「庄内平野」
庄内平野に秋がきた
刈り残された茶色い稲の跡が
何処までも残る
平野の真ん中を電車は走り
窓に顔をつければ
月山あたりに雲が流れる
もう秋も深まり
厳しい冬はそこまで迫る
十月といってもいつ雨が降り
山はみぞれになるかわからない
この日本海に面した大地は
時には暗く
他人に言えない苦しみを
耐えてきた
そんなことも
昔話しのように
電車は平野をひた走る
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