「鞍馬」

 

 

荒れ果てた深山に

たたずむ寺を

想像していた

 

それは

山道を参拝しながら

数々の神社に手を合わせ

大樹の森を

登り詰めたところに広がっていた

 

冬枯れの木々から

モミジやヤマホウシなどの

葉が降り注ぎ

引き締められた道が

心地よく人々を迎えてくれる

 

牛若丸が天狗と遊び戯れたのは

この辺りかと

タイムスリップしてみれば

冬の小雨がみぞれとなり

うっすらした雲をかぶった

下界がみえた

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